市場の期待を株価で読み解く エクスペクテーション投資入門
 |
人気ランキング : 92,357位
定価 : ¥ 3,360
販売元 : 日本経済新聞社
発売日 : 2003-05-24 |
 |
バフェットアプローチをさらに高度化した本 |
この本は株価のリバースエンジニアリングの本です。
通常は、その会社がどれくらいの利益を生むかによって株価を考えます。
この本は逆に、株価がいくらかをみて、投資家がその会社がどれくらいの利益を生むと期待しているかを読み解きます。
単純ですが、このフレームワークは強力です。
バフェット、グレアムは株価(時価総額)は企業価値と違うという点を投資のベースにしました。
そして、その価格と価値の差が大きい「安全域の大きい会社」に投資することを薦めました。
この本のアプローチにより、このグレアムーバフェットアプローチをさらに進めることが可能となります。
つまり、株価→投資家の期待→自分の期待との比較→この安全域の差が何に基づくのか、
どういうタイミングでその安全域は変わるのかを理解することで、より安全域投資のアプローチがやりやすくなります。
 |
実は非常にベーシックなモデル |
通常のファンダメンタル投資では、企業の財務状況や競争力など企業そのものが今どれだけの価値を持っているか、将来に渡ってどれだけの収益力を備えているかの理論値をはじき出す。出した理論地と市場で取引されている株価と比較し、割安であれば買い、割高であれば売りを出すことで収益を得ていく。しかし、この作業には本質的な欠陥がある。企業の理論価格が正確に出ないのだ。いや、出ないというのはやや不正確で、なんらかの指標、例えばキャッシュフローを用いての理論値は綺麗に出せる。問題はこの出した価格が企業の実態を100%反映していると言えないことだ。キャッシュフローのみでは捉えられない定性的な評価は経験と感覚で読むしかない。結局、弾き出した理論値の信憑性から、市場価格の評価にも曖昧な点が残ってしまう。
「では、市場の取引価格から逆算して企業の理論価格を弾き出せばいいではないか」。本書の著者、ラパポートとモーブッシンは語る。理論価格を積み上げていくのが困難であれば、同一のモデルを逆に用い、市場が企業に対してどの程度の成績をこれから上げることを期待しているのかを読み解き、現状と比較すれば良い。あくまでモデル計算でしかない以上、完璧な回答は得られないことには変わりはない。しかし、少なくとも、市場の取引価格の意味はより深く読めるようになる。また、企業の財務情報も公開されているため、現状の実績値と取引理論値を比較することはさほど難しくない。100戦100勝とはならないとしても、多少は率を上げることは可能になるだろう。この先しばらく、証券投資の際には手元においてツールとしての検証作業をを続ける日々になるに違いない。
また、本書のモデルが使いやすいのは、バリュー投資とグロース投資どちらも共通のモデルで処理出来ることだ。常々、両者を分けるのは本質的でなく。時間軸の概念を加えて、一種の裁定取引として捉えた方がすっきりするはずだと考えていたが見事に両者を同一のフレームにまとめている。自分の頭のなかでぼんやりと考えていたことがすっきりと整理されているのはただそれだけで非常に気持ちが良い。
 |
期待と株価 |
株価を動かすのは「ファンダメンタルズ」でなく「期待」である。
この本は財務状態と株価から期待を割り出しそれを利用して投資する方法
が書かれている。類書にないアプローチなのでとても役に立った。