江戸の市場経済―歴史制度分析からみた株仲間
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定価 : ¥ 1,680
販売元 : 講談社
発売日 : 1999-04 |
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歴史制度分析に基づく新たな視点 |
本書は、歴史制度分析(Historical Institutional Analysis)に基づいて、当時の最先進国イギリスに比肩しうる経済成長を成し遂げた江戸時代における市場経済の仕組みを、先学の数量経済的アプローチの成果等を踏まえつつ解析を試みた意欲的な内容となっている。
本書では、計量経済史(Cliometrics)の考慮外にあった制度的枠組みの経済パフォーマンスに与える効果等を述べ、特に、幕府から営業特権を認められた集団である「株仲間」に焦点を当て、江戸期の市場経済との相関について具体的に論究している。
ここで「株仲間」の解説であるが、著者の岡崎哲二氏は「株仲間」を企業組織のように叙述しているが(本書PP.86-88)、その実態からみて、説明についてはむしろ一種の「業界団体」とした方がよいと考える。なぜならば、〈幕府−株仲間〉の関係が比較制度分析(Comparative Institutional Analysis)に係る官僚制多元主義国家の〈原局−業界団体〉関係(青木昌彦氏)のプロトタイプ(原型)と想見されるからだ。
終わりに、「天保の改革(株仲間の停止)」は、ある意味で「市場機能拡張的政策」と見なせるわけであるが、その結果が惨憺たるものであったことを思うと、「慣性(ineatia)」や歴史的な「経路依存性(path dependence)」あるいはマッチングやコーディネーションなどの問題も含め、大きな経済学的教訓を我々に示唆してくれている。
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従来の経済史学への挑戦 |
僕は、学生時代に日本の経済史学の本流である「大塚史学」を専攻した。この本は、「ゲームの理論」や「計量経済学」から江戸時代の市場経済にアプローチしており、新鮮な驚きと戸惑いを隠せなかった。
従来の日本経済史とくに日本資本主義発達史は、天保時代を日本の「資本主義」の始まりとの解釈をしてきたものが多い。
この書は、それ以前の時代から日本の「市場経済」は、発達してきたとしている。特に、田沼時代の記述については非常に重要なものであると感じた。
また、冒頭で「大塚史学」や「マルクス主義的経済史学」の記述があり、従来の経済史学に対する著者が挑戦する意欲を感じた。
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おもしろかった |
歴史制度分析とは、ゲーム理論から見た制度と契約の経済史です。
全てのプレイヤーにとって最適なナッシュ均衡に至った後の制度変化を、説明できない理論です。(すべて外部環境の変化?⇒外部環境はどうして変わったか?)
江戸時代の株仲間の廃止と復活を材料にし、株仲間のインフォーマルな法の価値を示しています。